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個人間精子提供=絶対悪?

個人間精子提供=絶対悪?



精子提供に関するニュースはどれも不貞行為の内容や、性行為を迫る自称精子提供ボランティアへの批判が先行し、本当に精子提供を必要としている人が取り残されています。

個人間精子提供による提供者の経歴詐称トラブルがニュースで取り上げられてから、タイミング法(性行為)を迫る精子提供ボランティアやSNS上で精子提供を必要としていない女性にも見境なくフォローして回る精子提供アカウントが続出しています。

そういったアカウントが後を絶たずさらには精子提供のマッチングサイトがいくつも誕生し個人の精子提供ボランティアが増加し続けていることから精子提供に対するイメージは下がり続けています。

そして最近ではAIDで生まれた子どもの出自を知る権利の問題について議論される機会が増えたことにより、多くが身分を明かさないと主張しているためか個人の精子提供ボランティアへの批判がさらに強まっています。

さらに追い打ちをかけているのが、デンマークの精子バンク企業であるクリオス・インターナショナルの日本進出です。

日本を含む世界各国での実績があり信頼のあるクリオスが日本に窓口を設置しており日本事業担当の方が個人間精子提供は必ず避けるよう精子提供ボランティアへの批判とともに発信しています。

精子提供ボランティア側のモラルの低さが批判の対象へと繋がっていることが分かります。

しかし難しいのは批判だけでは解決に向かわないという点です。

個人間精子提供を受けなくて済む環境があるならばそれに越したことはなくその環境があればすでに一般的になっています。

個人間精子提供を受けているのはレズビアンカップル、FTM夫婦、無精子症の夫婦、選択的シングルマザーを希望する女性です。

無精子症の夫婦の場合、AIDの受付停止などの問題はありますが順番を待てば医療機関でAIDを受けることは出来ます。

しかしレズビアンカップル、FTM夫婦、選択的シングルマザーを希望の女性は基本的には医療機関に頼ることができません。

方法としては知人や第三者などから精子提供を受けるか海外の精子バンクから外国人の凍結精子を購入するかです。

海外の精子バンクの値段は1回で30万程度はかかり凍結精子という精子の運動率が著しく下がる性質上、妊娠に至る確率も、すぐに注入できる個人間精子提供には敵いません。

費用対効果、日本人ドナーがいないことなどから個人間精子提供に頼らざるを得ない状況にある人が多いため絶対に個人間精子提供を受けないでくださいとだけ言っても 現実的には難しく、個人間精子提供を選択肢から外すと 結果的に自身が事業を担当する精子バンク企業への誘導になり宣伝として捉えられてもおかしくありません(クリオスインターナショナルを批判する気は一切ありません) 。

個人間精子提供では精子ドナーの信頼性について懸念がありますがSNSやマッチングサイトに登録している男性も良い人ばかりではありません。

むしろ危険な人物の方が圧倒的に多いです。
ただし海外の精子バンクでも同じです。

容姿端麗で成績優秀な精子ドナーのはずが、実は統合失調症で、大学も中退しており、重罪を犯した過去があったとして 海外で訴訟問題となっている事例があります。

絶対的男性不妊の婚姻関係にある夫婦のほかレズビアンやFTMの夫婦などが医療機関でのAIDが受けられる。
出自を知る権利が保障されたうえで 精子ドナーについても選択できる。
これらが可能になれば 海外の精子バンク企業に日本の生殖を握られる必要もなくイメージの悪い個人間精子提供を受ける必要もなくなります。

しかし2021年現在は日本産婦人科学会がAID治療は絶対的男性不妊の婚姻関係にある夫婦に限定しており、この規定が変更になることは望めません。

2021年には日本にも民間の精子バンクが設立されていますがAID治療に使われる凍結精子に限られています。

医療機関によっては海外の精子バンクから取り寄せた外国人の凍結精子で体外受精や顕微授精をしてくれる施設もありますが、一般的には凍結精子を自宅に配送してもらい個人間精子提供と同じようにシリンジ法で注入することとなります。

個人間精子提供が絶対的に悪いのではなく、リスクをしっかりと認識したうえで信頼関係のもと提供を受ける必要があるのだと思います。

個人の精子提供者は今や溢れかえっており、提供を受ける側が数多から選べるという立場です。

ただし個人の精子提供者は溢れかえっていることが危ない点でもあり 輝かしすぎる怪しい経歴を自称する提供者が増加しています。

提供を受ける側からすると多くの普通の人よりも、一握りの優秀な人の方がいいという当たり前の感情とマッチしてしまうことから経歴詐称者が人気ドナーとなりトラブルの要因となると考えています。

精子提供に関わる人のモラルに委ねられているのが現状です。
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